2020 年 64 巻 10 号 p. 527-532
本研究では,材料表面と生体組織間の接着性を増進させる手段として,表面を粗面化させるショットピ-ニングに注目した.材料表面に対して垂直投射した場合にはマイクロメ-トルオ-ダ-の凹凸が形成され,投射角度を傾けた(斜投射)場合には,周期的なうね状構造を得ることが知られている.本研究では,ショットピ-ニングによる材料表面の生体適合性の向上を目的とし,チタンの表面形状が骨芽細胞の接着挙動に与える影響を評価した.その結果,粒径および質量が大きい粒子を斜投射することでより明瞭なうねが形成された.細胞は斜投射FPP処理によって隆起したうねを足場として接着する傾向が観察され,この隆起箇所が多く存在する箇所において初期細胞接着性が促進された.この挙動より,細胞の足場となる隆起構造を構築することで細胞付着位置を制御できると考えられる.