2020 年 64 巻 2 号 p. 98-104
砥石軸と工作物軸を直交ないし所定量傾斜させて,加工の目的に合わせて砥石姿勢を制御するTurn Grindingを考案し,本手法の有効性を,直交式Turn Grindingと一般的な円筒トラバ-ス研削との比較から明らかにするため,幾何学的解析と検証実験を行った.砥石軸と工作物軸が直交する場合の砥粒切れ刃の運動軌跡から,砥粒切込み深さと接触長さを数値計算によって解析し,研削条件がそれらに及ぼす影響を調べた結果,砥石切込み量Δを大きくし,より高能率な研削条件であるほど,円筒トラバ-ス研削と比べて砥粒切込み深さの減少幅が大きくなることがわかった.さらに,複合加工機による検証実験の結果,本手法によって研削能率を変えることなく,工作物の寸法精度と表面粗さが向上することがわかった.