2024 年 10 巻 1 号 p. 33-38
健常成人を対象として,ヘッドバンドを用いた頭部への感覚刺激が身体定位能力,関節運動,身体運動に及ぼす影響を分析した.ヘッドバンドにより身体定位能力を示す点数は有意に増加した.また,頭部の自動回旋可動域,立位体前屈での指床間距離は有意に増大した.さらに前後左右に強弱部位をつけた特製のヘッドバンドの方が市販ヘッドバンドより頭部回旋運動や立位体前屈における改善効果は高い傾向にあった.ヘッドバンドにより頭部からの感覚入力情報が増し,身体定位能力を高めることで運動が改善したと推察した.