抄録
将来のテレビ放送は超高精細・大画面となることが予想されている.高精細については多くの検討がされているので本稿では大画面について解説する.また表示に関する心理物理量との対応についても述べる.大画面については,視野角と感じる明るさとの関係,画面を斜めなどから見ることによるゆがみ,表示で必要なダイナミックレンジの3項目について解説する.次に心理物理量については,条件が変わるたびに主観評価実験を行うことは困難であるため適切な客観データで画質を想定する試みが広く行われている.前述のダイナミックレンジに関係するのは色彩工学における輝度に関する心理物理量と考えられるのでその対応を述べる.最後に映像と心理物理量の関係の一つとして,色彩工学における色の見えを示すCIECAMと映像システムのトータルガンマの対応についても紹介する.