2017 年 3 巻 1 号 p. 53-58
本研究の目的は,高校野球選手を対象に,24時間以上スポーツ活動を制限しない傷害であるNon-Time-Loss(NTL)傷害も含めた傷害発生状況を調査することである.対象者は高校野球選手80名とした.1シーズンにおける全身の傷害発生状況,練習参加状況を調査した.アスレティックトレーナーが週3回.直接傷害発生の有無を把握し,練習参加状況はマネージャーが毎日記録した.総傷害発生率は10.2/1,000 Athlete Exposures(AEs)となり,うち,NTL傷害発生率は7.4/1,000 AEsであり,Time-Loss傷害発生率の2.8/1,000 AEsよりも高かった.肩・肘・腰背部の順に多く発生し,特にレギュラーにおける肩・肘の傷害発生率やピッチャーにおける肩傷害の発生率が高かった.また冬季に下腿の傷害発生が増加した.今後は,得られた特徴より,部位別の予防策を講じていきたい.