2020 年 6 巻 1 号 p. 59-65
本研究では,高齢者の歩行能力に対する6週間の自体重トレーニングによる介入効果を検証するとともに,歩行速度の変化率に対する年齢,身体組成(体重,体脂肪率,相対的筋量)および立ち幅跳び(筋パワー)の変化率との関連を検討した.結果より,歩行速度は対照群で低下(p=0.018)を示し,介入群では変化を示さなかった.また,対照群では体重を除くすべての要素(p=0.010-0.044),介入群では体脂肪率(p=0.008)の変化率と歩行速度の変化率に関連が示された.これにより,自体重トレーニングは高齢者の歩行能力の低下抑制に活用できることに加え,特に体脂肪率の増加は身体への追加荷重の増加となり歩行能力およびトレーニング効果に影響を与えることが明らかとなった.