本研究は慢性足関節不安定症(CAI)のSide hop test中の足関節の関節運動,筋活動量を記録し,疲労課題前後の変化を検証することを目的とした.CAIを有する大学生10名を対象とし,疲労課題と課題前後にSide hop testを実施した.三次元動作解析装置を用いてSide hop test中の足関節角度・モーメント,表面筋電図を用いて筋活動を測定した.疲労後,Side hop testに要した時間が延長した(疲労前8.06±0.69,疲労後8.55±0.74秒,p<0.05).疲労の影響により底屈モーメントの減少,内反モーメントの増大,内旋角度の増大,前脛骨筋活動量の減少を示した(p<0.05).
本研究は慢性足関節不安定症(CAI)を有するアスリートを対象に片脚つま先立ちにおける重心動揺と筋活動の特徴を検討した.大学生アスリート24名(健常群12名,CAI群12名)を対象に,片脚立位(SLB)および片脚つま先立ち(TBT)中の圧中心(Center of pressure:COP)総軌跡長,足関節角度,筋活動(前脛骨筋,長腓骨筋,腓腹筋内・外側頭)を計測した.TBTにおけるCOP総軌跡長はSLBに比べて有意に延長した.CAI群は健常群より前脛骨筋,長腓骨筋,腓腹筋内側頭の筋活動が有意に高かった.TBTは高いバランス能力が求められ,CAI群では健常群とは異なる筋活動で片脚立ちを保持していた.