2020 年 6 巻 1 号 p. 49-57
本研究は膝前十字靭帯損傷予防に向けたトレーニング効果をModified-Tuck Jump Assessment(TJA)と加速度センサを用いて検討した.高校女子バスケットボール選手を対象とし,加速度センサを装着した状態でtuck jump test を10秒間実施した.TJAの合計点に加えて,着地時の鉛直加速度を算出した.介入群には予防トレーニングを17週間実施し,非介入群は通常の練習のみ行った.予防トレーニングによってTJA合計点は減少傾向を示したものの,統計学的な有意差を認めなかった.その一方で,加速度センサで記録した体幹加速度は有意に減少した.このことから,視覚的な動作評価に加速度センサを組み合わせることで,スポーツ現場における着地動態の変化を客観的に示せる可能性が示唆された.