2021 年 7 巻 1 号 p. 111-117
本研究は暑熱対策の必要性を認識している大学トライアスロン競技選手を対象にレース前後の体重減少率および尿比重を用いて現状の暑熱対策への知識では脱水を予防できているのか否かを検討することを目的とした.本研究は,男子大学トライアスロン競技選手6名を対象に暑熱対策に関するアンケート調査,尿比重および体重を測定した.レース翌日の尿比重は,レース当日と比較して有意に高値を示した(p<0.05).レース直前からレース直後にかけて体重減少率は平均3.6%であった.大学トライアスロン競技選手は暑熱対策の必要性を認識し,暑熱対策の知識があったにも関わらず脱水していたことが新たに示された.