日本アスレティックトレーニング学会誌
Online ISSN : 2433-572X
Print ISSN : 2432-6623
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特集
  • 細川 由梨
    2021 年 7 巻 1 号 p. 1
    発行日: 2021/10/31
    公開日: 2021/11/26
    ジャーナル フリー

    本特集は,第9回日本アスレティックトレーニング学術学会の学術ワークショップで取り上げた講演内容を中心にアスレティックトレーニング分野における学術的基礎に関連する記事をまとめました.

    まず一編目には「学術論文の読み解き方」として阿部(平石)さゆり先生(帝京大学スポーツ医科学センター)にご執筆頂きました.「なんとなく英語論文を読むのは苦手だ」と感じている読者には是非参考にして頂きたい工夫が多く紹介されており,入門編に相応しい内容です.村田祐樹先生(中京大学スポーツ振興部,名古屋大学大学院教育発達科学研究科)にはご自身の経験を元に「システマティックレビューの進め方」についてご執筆頂きました.システマティックレビューはその名の通り系統的であり,その質を担保するため執筆過程にはルールが存在します.できる限りバイアスを取り除いた形で現存のエビデンスを集約する過程を理解することは,これからシステマティクレビューの執筆に挑戦したいと考える研究者だけでなく,日々エビデンスの吟味と統合を行なっている実践者においても参考になる内容であると考えます.筆者が担当した「科学的根拠に基づいた提言書ができるまで」では,実践者に向けて発信されている提言書の成り立ちを解説しています.今後発表される提言書やガイドラインを読み解く際に正しく推奨文のエビデンスの強さと限界点を検討し,臨床的判断に繋げて頂く一助となれば幸いです.そして山次俊介先生(福井大学)には「アスレティックトレーナーのための統計解析」として,アスレティックトレーニング関係者に馴染み深い事例を交えながら帰無仮説検定の必要性と弱点,および帰無仮説検定結果をどのように解釈し結論を導くべきかについて解説して頂きました.機械的に統計を利用・解釈するのではなく,臨床的に意味のある価値の有無を判定するために必要な視点が分かりやすくまとめられています.

    これら一連の論文に触れることで,アスレティックトレーニング分野における研究者らが今後さらに読み手を意識した執筆を行うきっかけになるだけでなく,実践者らが論文を手に取るハードルが幾分か下がり,学術論文が身近なものになることを願っています.

  • 阿部(平石) さゆり
    2021 年 7 巻 1 号 p. 3-9
    発行日: 2021/10/31
    公開日: 2021/11/26
    ジャーナル フリー

    アスレティックトレーナー(AT)にとって良質なエビデンスから学び続けることは重要であるが,学術論文の大半が英語論文であることから読解に苦手意識を持つ日本人ATは少なくない.しかしながら論文の基本構成を理解することで英語論文の読解効率を上げることは可能である.批判的思考や,英語論文を楽しく読み続けられるための工夫を実践することができれば,学術論文はより身近なものになる.

  • 村田 祐樹
    2021 年 7 巻 1 号 p. 11-15
    発行日: 2021/10/31
    公開日: 2021/11/26
    ジャーナル フリー

    システマティックレビュー(SR)とは,綿密で厳密な調査方法によって既存の研究を統合する総説論文と定義される.このタイプのレビューは最上位のレベルのエビデンスと分類されており,アスレティックトレーナーがエビデンスに基づいた実践を行うためにSRの成り立ちを理解することは重要である.しかし,本邦のアスレティックトレーニングの分野ではSRを書く方法についての情報はほとんど見当たらない.本報告の目的は,アスレティックトレーニングに関連する事柄についてSRを行う方法を説明することである.著者は,スポーツや軍事活動中に発生した労作性熱射病に対する冷却方法の有効性に関してSRを執筆しており,本報告では読者とその経験を共有したいと考える.SRの作成には6つの過程が含まれる.①リサーチクエスチョンをたてる,②関連する論文を特定する(論文検索),③採用あるいは除外する論文を決定する,④首尾一貫した方法でデータを整理する,⑤結果について慎重に考察する,⑥レビューの結果として主張できる結論を述べる.著者は,これらのステップが読者に十分に理解されれば,SRを読むあるいは実施する際の障壁が軽減されるものと考えている.

  • 細川 由梨
    2021 年 7 巻 1 号 p. 17-21
    発行日: 2021/10/31
    公開日: 2021/11/26
    ジャーナル フリー

    学術有識者によって示された提言書は,研究者に限らず臨床家などの実践者にとって有益な情報を集約している.その執筆過程では,信頼性や臨床的意義を担保するために幾度となく推敲が重ねられるだけでなく,査読過程を経ることで学術的な透明性も確保する.本稿では,筆者が今までに執筆に携わった事例から,提言書が作成されるまでの過程と推奨文の科学的根拠を評価する際に用いられる代表的な手法を概論する.

  • 山次 俊介
    2021 年 7 巻 1 号 p. 23-31
    発行日: 2021/10/31
    公開日: 2021/11/26
    ジャーナル フリー

    ネイマン-ピアソン流の帰無仮説検定はアスレティックトレーニング研究領域においても主流な統計的データ解析法である.有意水準によって有意差あり/なしの線引きする帰無仮説検定は非常に便利だが,有意差の意味を正しく理解している研究者は多くない.有意差を判定するp値はサンプルサイズに依存するため,効果(差)の大きさは評価しない.我々が真に関心あることは,“どのくらい効果があるのか?”,“先行研究より優れているのか”である.これを明らかにするために帰無仮説検定に加えて,効果量と信頼区間の提示と解釈が必要となる.

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