日本細菌学雑誌
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ブドウ球菌エンテロトキシンの多様性に関する研究
重茂 克彦
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2005 年 60 巻 2 号 p. 357-363

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抄録
ブドウ球菌エンテロトキシン (SEs) は嘔吐活性を有するタンパク質毒素であり, ヒト食中毒の原因毒素であるとともに, 代表的な細菌性スーパー抗原でもある。従来SEsは抗原性の異なる5の型が存在することが知られていたが, 近年多数の新型SEsが存在することが明らかになりつつある。本研究では, まず, いくつかの新型SE遺伝子の, 種々の黄色ブドウ球菌における存在頻度を解析し, 多数のブドウ球菌が複数のSE遺伝子を保有し, 黄色ブドウ球菌のSE遺伝子型は極めて多様であることを明らかにした。さらに新型SE蛋白質の免疫学的検出法を開発し, 新型SEは型により in vitro での毒素産生量に大きな違いがあることを明らかにした。また, 新型SE様毒素であるSEIRを発見し, 本毒素はMHC class II依存的にTCR (T cell receptor) Vβ3, Vβ11, Vβ12, Vβ13.2, Vβ14エレメントを有するヒトT細胞を活性化するスーパー抗原であることを明らかにした。さらに, SEsの嘔吐活性評価のための実験動物モデルとしてトガリネズミに着目し, 新型SEsを含む種々のSEsのトガリネズミにおける嘔吐活性を比較した。
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