日本細菌学雑誌
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化膿レンサ球菌の細胞付着・侵入機構に関する研究
川端 重忠
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2005 年 60 巻 2 号 p. 365-374

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抄録
化膿レンサ球菌 Streptococcus pyogenes は, 咽頭炎や扁桃炎, 続発症として急性糸球体腎炎やリウマチ熱を引き起こす。S. pyogenes は組織や臓器に積極的に侵入する菌ではなかったが, 軟部組織壊死, ショックや多臓器不全などを伴う劇症型レンサ球菌感染症がみられるようになった。100種類を超えるM血清型のなかでも, M1型とM3型に属するグループには組織侵襲性の高い菌株が, 近年, 多いことが報告されている。そこで, S. pyogenes の組織侵襲に関与する分子について, S. pyogenes ゲノムデータベースを活用して, 新規の機能性タンパク質を同定し, その解析を試みた。その結果, フィブロネクチン結合タンパクであるFbaAとFbaBがそれぞれM1型菌とM3型菌における重要な細胞侵入因子であることが明らかになった。また, 呼吸器感染症の代表的な原因微生物であるインフルエンザウイルスとS. pyogenes との重感染による致死マウスモデルの構築とその重症化機構の解析を行った。その結果, インフルエンザウイルスのヘマグルチニンとS. pyogenes の莢膜が直接結合することで, 肺上皮細胞へのS. pyogenes 菌体の付着が亢進し, 最終的に宿主を敗血症に至らしめることが示唆された。
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