抄録
イチゴ炭疽病(病原菌:Glomerella cingulata)耐病性に関する遺伝領域を解析するため,イチゴ品種「とちおとめ」と「いちご中間母本農2号」を交雑したF1集団を用いて,QTL解析を行った.F1集団で1:1に分離する各種DNAマーカーを開発し,シュードテストクロス法を用いて連鎖解析を行った.この結果,「とちおとめ」で376個のマーカーが座乗する30連鎖群(全長1005.4 cM),「いちご中間母本農2号」で506個のマーカーが座乗する29連鎖群(全長1448.1 cM)からなる連鎖地図が得られた.F1集団の炭疽病発病度のデータを用いてQTL解析を行った結果,計9か所の領域にQTLが検出された.また,マーカーのF1集団での分離比や,連鎖地図の相反関係から,イチゴ染色体は異質倍数体構造を持ち,二倍性の遺伝様式をとっていると推察された.