育種学研究
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小麦品種ハルユタカの種子貯蔵蛋白質と製パン性の関係
高田 兼則山内 宏昭入来 規雄桑原 達雄
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2000 年 2 巻 1 号 p. 11-16

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抄録
製パン性に負の効果をもつ高分子量グルテニン (HMWG) サブユニット2+12をもつにも関わらず, セミ・ハードクラスと評価されるハルユタカの製パン性について, 高製パン性力ナダ品種のKatepwaとの交配に由来するF7世代32系統を用いて調査した. ハルユタカのHMWGサブユニットは1, 17+18, 2+12であり, Katepwaは2, 7+9, 5+10であった. 1と2および17+18と7+9サブユニットの間には製パン性の指標に有意差はなかった. 2+12と5+10サブユニットも, 蛋白質含量およびファリノグラフの生地形成時間および弱化度には有意な差はなかった. しかし, SDS-セディメンテーションテストの沈降量 (P<0.01) やパン生地破断時の物性値である破断力 (P<0.001) およびパン比容積 (P<0.01) は5+10系統が2+12系統より有意に高かった. 一方, 破断変形量は2+12系統が5+10系統より大きかった (P<0.001). また, Glu-D1およびパン比容積と破断力の関係では, 破断力はパン比容積と有意な相関を示し (r=0.716, P<0.001), 5+10系統が2+12系統よりも破断力が高くパン比容積が高い傾向であった. Glu-D1およびパン比容積と破断変形量では, 破断変形量が小さいコムギのパン比容積が高く (r=-0.703, P<0.001), 5+10系統が2+12系統よりも破断変形量が小さくパン比容積が高い傾向であった. ハルユタカの破断変形量は2+12系統の平均値に近い値をしめしたが, 破断力はどちらかというと5+10系統に近い値であった. 2+12系統の中にもハルユタカと同様の破断力を示す系統が認められ, これらの比容積はKatepwaにはおよばないが5+10系統に近かった. ハルユタカは破断力を高めるHMWG以外の蛋白組成をもっており, これが製パン性に寄与していると推測された.
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