育種学雑誌
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日長及び温度が大豆の花芽の分化並びに花器の発達に及ぼす影響の品種間差異 : II. 花器発達の比較
福井 重郎後藤 虎男松本 重男
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1962 年 12 巻 2 号 p. 75-80

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抄録
(1)2つの日長条件及び温度条件を組合せた4条件下に於ける三号早生大豆(極早生)・農林2号(中生)・一本鈴成(極晩生)の3品種の花芽分化及び花器発達を5日目ごとに各節位について調査した。(2)短日処理により各品種とも花芽の分化開始及び花器発達がともに促進された。花器の発達段階のうちでは初期,即ち琶形成期より胚珠形成初期に至るまでの段階が特に促進され易い段階であり,その後の段階の促進の程度は小さかった。(3)14・5~15時間の日長下での温度上昇によって,三号早生大豆,農林2号では花芽の分化開始が促進されたが,一本鈴成では花芽の分化開始が遅延した。Lかし花器の発達は各品種とも促進された。短日下の温度上昇によって三号早生大豆,一本鈴成の花芽の分化開始は促進されたが,農林2号は促進されなかった・叉花器の発達は各品種とも促進された。高温による花器の発達の促進は全般的であり,特に促進され易い段階はないようである。
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