育種学雑誌
Online ISSN : 2185-291X
Print ISSN : 0536-3683
ISSN-L : 0536-3683
人為突然変異利用による〓麦の育種方法に関する研究 : 第1報 X1およびX2世代の取り扱い方法の比較
武田 元吉菅 益次郎
著者情報
ジャーナル フリー

1963 年 13 巻 4 号 p. 211-216

詳細
抄録
6条裸麦を用いて,その乾燥種子にX線15krを照射L,突然変異育種における栽植方法および選抜方法の比較検討を行たった。栽植方法にはつぎの3種類を用いた。Method A(1株3粒法):X1植物の1株より3穂をとり,それぞれの穂から1粒を採種して,X2で集団栽増した。Method B(穂別系統法):X2で系統栽培した。Method C(個体別系統法):X1植物の1株より3穂をとり,混合して1系統とし,X2。で系統栽培した。おもに,Method AとB,C間について比較検討した。また,とりあげた主要形質は早生と短桿で,選抜はX2で行たい(第1表),変異体の特性はX3で確認した(第2,3表)。Method A-II(第1表)の短桿は簡単な測定選抜により,その他の選抜は観察によった。 1)Method AではMethods B,Cよりも変異型種類数をX2で多く含み,また現品種よりもいちじるしく変わった変異を含んでいた。このような結果はYOSHIDA(1962)の指摘と同じ傾向を示すものであろう。 2)X2選抜方法に相異を与えた短桿選抜では,Method A(I十II)のほうがB,Cより確実に変異体を選抜していた。結局,簡単な測定を加えた選抜のほうが系統肉眼選抜よりもまさるのであろう。
著者関連情報
© 日本育種学会
前の記事 次の記事
feedback
Top