育種学雑誌
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細胞遺伝学的にみたキヒラトユリとコオニユリの類縁関係
野田 昭三
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1967 年 17 巻 3 号 p. 173-176

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抄録

キヒラトユリLilium leichtlinii var. leichtlinii(Hook. fil)(一名キバナノオニユリ L. leichtlinii J.D.HOOKER)はコオニユリ L. maximowiczii REGELに非常によく類似しているが、黄色花をつけることで明らかに異なっている。この植物は古くからわが国ではしばしば文献上に記録されているが、現在はほとんど自生をみることができない。しかし欧米では園芸的な価値が認められ、以前から球根がわが国から輸出されていた(清水1949)。今回この貴重な材料を入手し、コオニユリと比較研究する機会をえたので報告する。材料は秋田県仙北郡西木村の佐藤政一氏のもとで栽培・保存されているものの一部を譲りうけたもので、鱗茎を本学の実験圃場に移植した後に観察に供した。またこれと比較するために、同じ地域に自生するコオニユリを使用した。細胞学的観察は前報(NODA 1960)と同一の方法によった。

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