育種学雑誌
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イネ属植物の細胞遺伝学的研究 : 第5報 AおよびB(O. punctata)ゲノム間の染色体対合
小川 紹文片山 平
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1971 年 21 巻 3 号 p. 151-154

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抄録
Aゲノムをもつ種(O.satiba、O.sativa f.spontanea、O.sativa v. fatuaおよびO.glaberrima)とBゲノム種(O.punctata)との間の交配からえられた17のF1雑種について細胞遺伝学的観察を行った。総交配数3033頴花から、346の種子をえた(交配率11.4%)。結実種子は、ほとんど(94.0%)不完全なもので、試験管内で培養された。F1個体は、一般に、両親の中間の形態を示したが、両親のある形質はF1で優性的に発現された。MIにおける染色体対合は、最高0~9(平均5.22)から最低0~8(平均2.20)の範囲に変異した。また二価染色体を対合の程度(外形的に判断して)から、a・bおよびcの3型に分類した。A・B両ゲノム間のF1雑種で、その二価染色体が緊密な対合(a・b型)を示すものもあった。これらの実験で観察された緊密な対合を示す二価染色体は、AゲノムとO.punctata(4n)F1の雑種でも観察されている。以上の結果から、AゲノムとB(O.punctata、2nおよび4n)ゲノム間には、かなり相同性があり、また4倍体種がもっているBゲノム間にはいろいろな程度に分化が生じているものと推定された。
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