育種学雑誌
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バレイショ近縁種2種における諸組織中のパーオキシダーゼアイソザイム
保坂 和良松林 元一上島 脩志
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1985 年 35 巻 4 号 p. 375-382

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抄録
バレイショ近縁野生種2種について,まず,パーオキシダーゼアイソザイムパターンに及ぼす種々の組織による差異,及び植物体の生育環境による差異を明らかにした。次に,各アイソザイムバンドの発現程度に基づいて得られた種間差異を表わす推定値の有効性,及び分析材料としての葉の有効性について検討した. メキシコ原産二階種Solanum pinnatisectum及び南米原産二倍種S.multidissectumを3つの異なる環境条件下(A,12,500luxで12時間日長,昼温23℃,夜温14℃;B,秋期の自然日長で温度条件はAと同じ;C,ガラス室で秋作普通栽培)で栽培し十分生育した植物体から個体毎に,種々の組織から試料を抽出した.平板型ポリアクリルアミドゲルを用いた不連続緩衝液系電気泳動法により,パーオキシダーゼアイソザイムを分離・染色し,そのバンドの有無及び濃度を肉眼によって6段階に分け,異種環境及び組織間で比較した.さらに,種間差異を量的に推定するため,塊茎と葉を用いた場合のそれぞれについて,各バンドの発現程度を形質値として,供試全個体間でユークリッド距離を求めた.
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