育種学雑誌
Online ISSN : 2185-291X
Print ISSN : 0536-3683
ISSN-L : 0536-3683
バーズフット・トレフオイル(Lotus corniculatus L.)のプロトプラストからの植物体再生
新関 稔斎藤 健一
著者情報
ジャーナル フリー

1986 年 36 巻 2 号 p. 177-180

詳細
抄録

バーズフット・トレフォイル(Lotus corniculatus L.)のプロトプラスト培養からの植物体再生について検討を行った.4mg/lの1-ナフタリン酢酸と2.5mg/lのカイネチンを含むMURASHIGEとSKOOG(1962)の培地で10~15日間培養したカルスを4%セルラーゼ・オノズカRS,1%マセロザイムR-10,0.2%ペクトリアーゼY-23,0.7Mマンニトール(PH5.8)の酵素液で3~4時間,28℃で振湯処理してプロトプラストを単離した.このプロトプラストをKAOとMICHAYLUK(1975)の8P培地をゼアチンの代りに6-ベンジルアデニンを加え,ココナットミルクを除いた改良培地で暗黒条件下で培養すると7日以内に細胞分裂を開始した.これに新鮮た改良8P培地を加え光条件下に移したところ,細胞塊を経て約1ヵ月でコロニーが形成された.このコロニーを前述のカルス培養培地に移植すると約ユカ月でカルスが形成された.このカルスを濃度の異たるインドール-3-酢酸と6-べンジルアデニンを組合せたMILLER(1963)の培地で培養すると多くの不定芽が形成された.1.5mg/lのインドール-3-酢酸と1.5mg/lの6-ベンジルアデニンを含む培地がこの不定芽形成に最も適していた.この不定芽を植物生長調節物質を含まないNITSCHとNITSCHの培地に移植したところ完全な植物体が得られた。

著者関連情報
© 日本育種学会
前の記事 次の記事
feedback
Top