育種学雑誌
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普通ソバ(Fagopyrum esculentum Moench)のルチン含量に関する品種間差異および遺伝率
北林 広己原 曄男廣瀬 玉紀南 峰夫
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1995 年 45 巻 1 号 p. 75-79

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抄録
ルチンは,フラボノイドの一種で,毛細血管の脆弱性を抑制し,血圧を下げるなどの薬理作用を有するといわれている、普通ソバ(Fagopyrum esculentum Moench)の植物体には多くのルチンが含まれることが明らかとなっており,これまでに,主として栽培環境,生育時期あるいは器官別のルチン含量に関する研究がおこなわれてきた.近年,HPLCによる正確で簡便な測定法が確立して以来,ソバ種子に含まれるルチン含量に関心が持たれている.しかしながら,普通ソバにおける種子および葉のルチン含量の品種間差の解析や遺伝率の推定は今までほとんど行われていない.そこで本研究は,世界の主要な栽培国から導入された普通ソバの種子および葉のルチン含量に関する品種・系統間差および遺伝率を明らかにすることを目的として実施したものである.供試材料としては4倍体を含む日本産品種,中国,ネパール産系統およびヨーロッパ産品種の計27品種・系統を用い,1992.1993年の2ヶ年に各2反復の乱塊法で信州大学実験圃場において栽培をおこなった.両年とも,葉および種子を採取し,ルチン含量をHPLCにより測定した.
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