育種学雑誌
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Agrobacterium rhizogenesによるキウイフルーツの毛状根の誘導と形質転換体の獲得
矢澤 稔杉沼 千恵子市川 貫太鎌田 博秋濱 友也
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1995 年 45 巻 2 号 p. 241-244

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抄録
本研究では,Agrobactertum rhlzogenesを用いることにより,キウイフルーツの毛状根を誘導し,その毛状根から形質転換体が獲得されたことを報告する.国内菌で野性型のA. rhizogenes NIAES 1724株をキウイフルーツ(Actinidia deliciosa (A. Chev. )C. F. Liang et A. R. Ferguson var.deliciosa)実生の胚軸切片に接種したところ,植物ホルモン無添加のMS培地にて活発に伸長する2系統の毛状根が得られた.さらに,これらの毛状根からは容易に不定芽が得られ,完全な植物体が得られた.これらの植物体は,In vitroにおいて,コントロールと比較して,節間が詰まる,葉にしわがよる,根の発達が著しいといった特徴が観察され,また,順化後の形態的特徴としては,分枝数の増加や葉の小型化が観察された.また,植物体の葉の抽出液よりミキモピンが検出され,RiプラスミドのT-DNA上に存在するrol遺伝子群が確認されたことから,形質転換体であることが証明された.以上のことから,A. rhizogenesによるキウイフルーツの形質転換が可能であり,キウイフルーツの品種改良におけるA. rhizogenesの有用性が示唆された.
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© 日本育種学会
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