育種学雑誌
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日長及び温度が大豆子実の発達に及ぼす影響の品種間差異
福井 重郎後藤 虎男
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1959 年 9 巻 4 号 p. 219-226

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抄録

結実日数の短,中,長の大豆品種,黄莢(IIa),農林2号(IIb),岩手2号(IIc)を材料とし短日及び高温が子実の発達過程に及ぼす影響の品種間差異を内部形態的に調べた結果,次の様た事が明らかにされた。1.自然区に於ける子実の発達段階の進み方は,黄莢,農林2号,岩手2号の順におくれ,子葉が出来始めるのはそれぞれ10日目,15日目,25目目であり,胚の形態的完成はそれぞれ30日目,35目目,50日目であった。2.短日条件によつて各品種とも結実日数が短縮されるが,子実の発達過程の上からは,胚発達の初期及び結実後期の2つの段階が特に短縮され,品種間では黄莢,農林2号,岩手2号の順に短縮の程度が大きかつた。3.高温による子実発達段階促進の程度は短日に比べて小さかつた。4.自然区に於ける子実の長さ及び莢の伸長は胚の発達過程と同様に,黄莢,農林2号,岩手2号の順に遅くなつた。子実の長さ及び莢の伸長は矩日及び高温によつて促進されたが,その促進の程度は概して黄莢,農林2号,岩手2号の順に大であつた。

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