抄録
要旨 日本における空き家の問題は、少子高齢化や都市部への人口集中により深刻化しており、空き家の増加は社会的・経済的な課題となっている。しかし、空き家は単に負の遺産と見なされるべきではなく、創造的な再利用の可能性も秘めている。空き家をキャンバスとしたアートプロジェクトや展示空間としての利用は、地域住民やアーティストとの協働を通じて新しいコミュニティの形成を促進し、社会的孤立の緩和や地域の再生をもたらす可能性がある。また、アートによる空間の再定義は、従来の経済的価値観に依存しない新しい価値の創造を示唆している。本研究は、越後妻有「大地の芸術祭」空家プロジェクトの造形作品が空き家の空間にどのような影響を受けているかを「空間への密接度」と称し、その実態について調査し空き家を活用した造形作品の可能性を探ることを目的とし、文化と芸術の創造、継承、発展にどのように寄与するかを考察する。