JSBi Bioinformatics Review
Online ISSN : 2435-7022
総説
複数の表現型を用いた人類遺伝統計学の大規模情報解析
谷川 洋介
著者情報
ジャーナル オープンアクセス HTML

2021 年 1 巻 2 号 p. 47-59

詳細
抄録

ヒトゲノム計画やその後の計測技術の進展にともない、多くの遺伝情報の取得・解析が容易になった。さらに、電子カルテやウェアラブルテクノロジー、大規模コホート研究の拡大によって、より多くの表現型のデータも得られるようになった。これら、遺伝型・表現型の両方におけるデータの拡大によって、より幅広い研究課題に取り組む絶好の機会が訪れている。人類遺伝統計学は、このようなデータを活用して、疾患などヒトの諸形質に影響を与える遺伝的変異をより深く理解するための強力なアプローチとなりうる。本稿では、ゲノムワイド相関解析やフェノムワイド相関解析、ポリジェニック・リスク・スコアなど、代表的な解析手法を取り上げ、複数の表現型の情報を考慮した遺伝情報解析など、近年の話題についても紹介する。

著者関連情報
© 2021 日本バイオインフォマティクス学会

This article is licensed under a Creative Commons [Attribution-NonCommercial-ShareAlike 4.0 International] license.
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/4.0/
前の記事 次の記事
feedback
Top