2022 年 3 巻 J2 号 p. 1059-1067
南海トラフ地震の災害規模は,東日本大震災以上に甚大になることが予想されている.大規模広域的な地震災害においては通信環境の途絶が予想され,要配慮者を含む被災者の存在位置及びニーズの発信が困難になる.これまでに筆者らは SAR 画像および SAR 衛星が観測可能な複数種のリフレクタ(LANDED)を開発し,それらを用いて通信環境の途絶時にも被災地外へ要配慮者のニーズが把握可能なシステムを構築してきた.本研究では,筆者らが開発したシステムの社会実装に向けて,ニーズ把握の要である LANDED の設置可能領域の把握手法を提案する.また,南海トラフ巨大地震で強い揺れが想定される自治体を対象とした Web アンケート調査を行い,筆者らが開発したシステムの有効性,課題等を整理する.