2010 年 1 巻 1 号 p. 3-16
Severe sepsis/septic shockの病態生理は,pattern recognition receptors(PRRs),pathogen-associated molecular patterns(PAMPS),alarminなどの概念が導入されてから大きく変化し進歩した。いまやLPSは単にPAMPSのひとつに過ぎないと位置づけられるようになってきた。またhypercytokinemiaが病態生理の中心をなしていることも今や広く認められている。さらにhypercytokinemiaに関して検討する場合にはcytokine産生関連遺伝子多型の影響を考慮しなければならない。Severe sepsis/septic shockに対する治療対策としては感染を制御した後はhypercytokinemia対策を中心に考えるべきであり,その一つの方法としてPMMA膜hemofiterを用いたCHDF(PMMA-CHDF)は有効であり,Surviving Sepsis Campaign guidelinesの推奨項目と共にPMMA-CHDFを施行することで,severe sepsis/septic shockの救命率は80%以上となった。PMX-DHPに関する新しいRCT(EUPHAS)が発表されたが色々問題もあり,PMMA-CHDFとPMX-DHPを比較した場合,新しい病態生理に対する合理性,有効性,医療経済性からみてPMMA-CHDFの方が優れていると考えられる。