日本急性血液浄化学会雑誌
Online ISSN : 2434-219X
Print ISSN : 2185-1085
総説
Severe Sepsis/Septic Shockの病態生理と急性血液浄化法によるその制御
第20回日本急性血液浄化学会学術集会特別講演Ⅰより
平澤 博之
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2010 年 1 巻 1 号 p. 3-16

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抄録

Severe sepsis/septic shockの病態生理は,pattern recognition receptors(PRRs),pathogen-associated molecular patterns(PAMPS),alarminなどの概念が導入されてから大きく変化し進歩した。いまやLPSは単にPAMPSのひとつに過ぎないと位置づけられるようになってきた。またhypercytokinemiaが病態生理の中心をなしていることも今や広く認められている。さらにhypercytokinemiaに関して検討する場合にはcytokine産生関連遺伝子多型の影響を考慮しなければならない。Severe sepsis/septic shockに対する治療対策としては感染を制御した後はhypercytokinemia対策を中心に考えるべきであり,その一つの方法としてPMMA膜hemofiterを用いたCHDF(PMMA-CHDF)は有効であり,Surviving Sepsis Campaign guidelinesの推奨項目と共にPMMA-CHDFを施行することで,severe sepsis/septic shockの救命率は80%以上となった。PMX-DHPに関する新しいRCT(EUPHAS)が発表されたが色々問題もあり,PMMA-CHDFとPMX-DHPを比較した場合,新しい病態生理に対する合理性,有効性,医療経済性からみてPMMA-CHDFの方が優れていると考えられる。

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© 2010, 特定非営利活動法人 日本急性血液浄化学会
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