日本急性血液浄化学会雑誌
Online ISSN : 2434-219X
Print ISSN : 2185-1085
症例報告
ミオグロビン除去を企図した急性血液浄化療法
吸着の原理の可能性
樋上 拓哉原 嘉孝西田 修
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2019 年 10 巻 2 号 p. 131-134

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抄録

血液浄化の原理は,透析,濾過,吸着である。ミオグロビン(Mgb)は分子量17800Daの中分子量物質であり,透析の原理で除去できない。濾過の原理に着目し,high cut-off膜を用いる方法が報告されているが,アルブミン喪失が問題となる。吸着の原理は膜素材と溶質の相互作用によるため,膜の吸着特性がMgbと合致すれば除去できる可能性がある。しかし,Mgb除去に関して吸着の原理に着目した報告はない。今回我々は,高Mgb血症の患者に対し,AN69ST膜を用いたcontinuous hemofiltration (AN-CHF)およびpolymethylmethacrylate(PMMA)膜を用いた間歇的高効率血液浄化療法(sustained high-efficiency daily diafiltration using a mediator-adsorbing membrane:SHEDD-fA)を施行しMgbクリアランスを算出した。Mgb 197328 ng/mlと著明な上昇を認め,AN-CHF(QB:150ml/min,QF:1000ml/h)を開始し,その後SHEDD-fA(QB:150ml/min,QD:300ml/min,QF:1250ml/h)に変更した。AN-CHFの血液クリアランスは9.1ml/minであり,SHEDD-fAは37.9ml/minであった。ふるい係数が1.0の物質でさえSHEDD-fAの理論的濾過クリアランス限界値は20.8ml/minにすぎず,SHEDD-fAの血液クリアランスは非常に高い。Mgbの分子量を考慮すると吸着の原理の関与が考えられた。

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© 2019, 特定非営利活動法人 日本急性血液浄化学会
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