2020 年 11 巻 1 号 p. 22-28
急性腎障害(acute kidney injury:AKI)における代謝の特徴は,血糖値の上昇と体タンパクの異化亢進である。そのため,AKI患者の栄養療法は基礎エネルギー必要量の80%(20〜30kcal/kg/日)以下まで抑えて,タンパク質を1.2g/kg体重/日以上に増やすことが必須である。持続的腎代替療法施行(continuous renal replacement therapy:CRRT)中の電解質異常はAKIの進展,併存症,死亡の危険因子であるため,定期的に血清カリウム,リンとマグネシウムをチェックする必要がある。さらに,CRRT施行中に排液から水溶性ビタミンや微量元素が容易に喪失するため,CRRT施行患者ではこれらのモニタリングも重要である。