2020 年 11 巻 2 号 p. 138-142
【背景】2018年に本邦で販売開始されたバクスター社製プリズマフレックス®では回路内凝固を軽減させることが期待されている。【方法】東レ・メディカル社製TR-55X®(TR群)とプリズマフレックス®(P群)とで,回路内凝固への影響を後方視的に比較検討した。【結果】予期せぬ回路交換の頻度はP群の方が有意に高い結果となった(p=0.003)。回路交換の原因としては返血圧上昇がTR群で有意に多かった(p=0.003)。返血圧上昇,入口圧のみ上昇以外の「その他の原因」はP群でのみで4件認めた。【結語】血液濾過器での血液凝固や操作手順の逸脱による予期せぬ回路交換がP群では多く,今後血液濾過器の改良や操作の習熟により成績が向上していく可能性が考えられた。