2021 年 12 巻 1 号 p. 52-57
持続的腎機能代替療法(continuous renal replacement therapy:CRRT)施行中にDIC治療薬が投与された患者では,CRRTの回路寿命が有意に延長することが報告されている。しかし,DIC治療薬の違いによって回路寿命に差が生じるかについては明らかになっていない。そこで,CRRT施行中の患者における,リコンビナントヒトトロンボモジュリン(recombinant human soluble thrombomodulin:rhTM)とダナパロイドナトリウム(danaparoid sodium:DS)の投与が回路寿命に与える影響について後方視的観察研究を行った。rhTMが投与された33回路をTM群,DSが投与された65回路をDS群として,2群間における48,72時間後の回路開存率を比較した。回路寿命に影響すると考えられる背景項目を2群間で近似させたマッチドペア解析では,48時間後においてTM群で有意に開存率が高い結果となった(83.4% vs 54.7%)。しかし,72時間後において有意差は認めなかった(62.4% vs 54.7%)。回路交換周期を48時間とする場合,rhTMはDSに比べてCRRTの回路凝固を予防する可能性がある。