2021 年 12 巻 1 号 p. 9-14
体外循環技術を用いた血液浄化を施行するにあたり,バスキュラーアクセス(vascular access:VA)は必要不可欠である。とくに短期留置に優れた非カフ型カテーテルは速やかに挿入し治療を開始できるだけでなく,緊急時輸液ルートなどの利便性が高いため急性血液浄化におけるVAの第一選択である。非カフ型カテーテルは挿入から留置・固定における易操作性,血液回路の着脱時における安全性,優れた送脱血性能,血管壁への低侵襲性,非感染性能などについて十分な機能が必要であるが,直接的な操作はヒトである。つまり,非カフ型カテーテルを使用するにあたっては,その特徴を理解して適切に使用されるデバイスマネジメントが重要であると考えられる。そこで,切迫した状況下で持続的腎機能代替療法(continuous renal replacement therapy:CRRT)が展開される救急・集中治療領域において,非カフ型カテーテルを用いて安全かつ効率的に体外循環を行うための知見をまとめ,期待されるデバイス像について言及する。