2021 年 12 巻 1 号 p. 15-19
COVID-19症例ではBMI 30以上の患者は重症化しやすく,ECMO導入のリスクが高い。また,非ECMO症例の重症AKI発症率は決して高くないが,ECMOを要する場合は重症AKIを高頻度で併発しており,CRRTが必要となる場合が多い。重症化の要因としてサイトカインストームがあげられるため,CRRT施行の際は炎症性サイトカインに対し吸着特性のあるヘモフィルターを選択する。しかし,フィブリノゲン・フィブリン分解産物やD-dimerが上昇する傾向にあり,CRRTの治療膜が凝固しやすくlife-time短縮の原因となる。APTTなどを適宜測定し,抗凝固剤の投与量を検討する必要がある。設備によりCRRTやHDが不可能な際は,high-flow RRTを用いた治療を検討する。また,医療従事者の感染を防止するため,CRRTからの排液や使用機器の管理にも細心の注意と工夫が必要である。