2022 年 13 巻 1 号 p. 48-51
当院において,半月体形成性糸球体腎炎を呈したMPO-ANCA,抗糸球体基底膜(glomerular basement membrane:GBM)抗体共陽性かつ膜性腎症を合併した急速進行性糸球体腎炎(rapidly progressive glomerulonephritis:RPGN)を経験した。血清Crの上昇がみられた早期に副腎皮質ステロイド,静注シクロホスファミドパルス療法(intravenous cyclophosphamide:IVCY)に加え選択的血漿交換(selective plasma exchange:SePE)を行ったところ,2抗体の陰性化を得られ肺障害を生じることなく腎機能障害も改善した。発症早期に,免疫抑制療法に加えて凝固因子補充不要なSePEを行うことが新規抗体産生抑制および抗体除去に有用であると考えられた。