【背景】CRRTでは電解質が除去されるため,電解質濃度が急速に変化する可能性がある。高度のNa濃度異常では,Na濃度の急速な補正により橋中心脱髄症候群や脳浮腫などの有害事象が生じるため,血中Na濃度を12mEq/L/day(0.5mEq/L/hr)以内で緩徐に補正することが推奨されている。【方法】市販の透析液/補充液はNa濃度が140mEq/Lであるため,低Na血症では5%ブドウ糖を,高Na血症では10%NaClを混注し,血中Na濃度に応じた透析液/補充液のNa濃度調製を行った。【結果】10例(高Na血症5例,低Na血症5例)にNa濃度を調製した透析液/補充液を用いてCRRTを行ったが,24時間後のNa濃度変化は12mEq/L以内に抑えられ,安全に施行できた。【結語】高度のNa濃度異常を伴う症例でCRRTを安全に施行する上で,透析液/補充液のNa濃度調製は有用と考えられた。