2023 年 13 巻 2 号 p. 102-105
尿管閉塞による腎後性AKIでVFを呈した高K血症,septic shockに対して,high volume high flow(HVHF)CHD,PMX-DHPによる血液浄化法が奏効した症例を経験した。【症例】71歳,女性。【既往歴】狭心症,腹部大動脈瘤,右水腎症。【現病歴】意識消失にて入院した翌朝,意識消失およびVFを認め,胸骨圧迫とDCを施行し,自己心拍再開後にICUに入室した。腎後性AKIによる高K血症からVFを発症したと診断し,HVHF-CHDを開始した。また尿路感染によるseptic shockに対し,敗血症に対する治療を開始するとともにCHDのカラムをAN69STに変更しPMXを開始した。【結語】腎後性AKIによる高K血症からVF発症後,尿路感染に伴うseptic shockを併発したものの,循環モニタリングに基づくカテコラミンの調節とともに,HVHF-CHD,PMXの併施により,ショックからの離脱,腎機能が回復しICUを退室できた症例を経験したので報告する。