2023 年 13 巻 2 号 p. 97-101
【目的】小児・新生児では,持続的急性血液浄化療法(CBP)施行中に低体温に陥りやすい。急性血液浄化装置では補充液加温と血液加温のいずれかの加温を行っており, ACH-Σ®(A)は補充液加温,プリズマコンフォート®(PC)は血液加温装置である。小児回路を用いた水系実験において,AとPCの加温性能を比較した。【方法】水道水をCHD,除水なし,透析液流量400mL/h,血流量(QW)10,20,30mL/minの条件で水温37.5℃の恒温水槽内に再循環させた。加温器の温度設定はAでoff,40℃(A off,A40),PCでoff,40,43℃(PC off,PC40,PC43)にした時と,A40の返血回路に43℃のPCを装着(A40+PC43)した時の返血出口の水温を測定した。【結果】どのQWでも返血水温はPC43,PC40,A40+PC43,A40の順で有意に高かった。【結論】小児回路を用いた水系実験において,血液加温は補充液加温より加温性能が優れていた。