日本急性血液浄化学会雑誌
Online ISSN : 2434-219X
Print ISSN : 2185-1085
原著
補充液加温と血液加温の小児回路における加温性能の比較
吉田 圭介山香 修木下 正啓内村 鴻一福田 理史平湯 恒久中村 篤雄山下 典雄高須 修
著者情報
ジャーナル フリー

2023 年 13 巻 2 号 p. 97-101

詳細
抄録

【目的】小児・新生児では,持続的急性血液浄化療法(CBP)施行中に低体温に陥りやすい。急性血液浄化装置では補充液加温と血液加温のいずれかの加温を行っており, ACH-Σ®(A)は補充液加温,プリズマコンフォート®(PC)は血液加温装置である。小児回路を用いた水系実験において,AとPCの加温性能を比較した。【方法】水道水をCHD,除水なし,透析液流量400mL/h,血流量(QW)10,20,30mL/minの条件で水温37.5℃の恒温水槽内に再循環させた。加温器の温度設定はAでoff,40℃(A off,A40),PCでoff,40,43℃(PC off,PC40,PC43)にした時と,A40の返血回路に43℃のPCを装着(A40+PC43)した時の返血出口の水温を測定した。【結果】どのQWでも返血水温はPC43,PC40,A40+PC43,A40の順で有意に高かった。【結論】小児回路を用いた水系実験において,血液加温は補充液加温より加温性能が優れていた。

著者関連情報
© 2023, 特定非営利活動法人 日本急性血液浄化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top