日本急性血液浄化学会雑誌
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Print ISSN : 2185-1085
技術・工夫
当院ICUでの終末期患者に対する透析への取り組み
岡田 和也牧野 淳三井 恵飯塚 祐基原田 佳奈加茂 徹郎
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2023 年 14 巻 1 号 p. 41-44

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抄録

ICU入室を要する急性腎障害患者や維持透析患者は予後不良とされているが,それは腎不全であることそのものよりも併存疾患や重症度に依存しており,その予後は不明瞭である。透析の開始と継続中止に関する共同意思決定診療ガイドラインでは,透析を必要とするが予後が不明な患者,または透析を行うことについて合意が得られない患者に対して期間限定の透析試験を検討することを推奨しており,当院ICUでも症例を選びこれを実践している。期間限定の透析試験では集中治療医,腎臓内科医両者が互いの強みを活かして協働していくことが理想である。ICU入室が長期化する症例や持続的腎代替療法離脱困難例,倫理的にコンフリクトを抱える症例などでは集中治療医,腎臓内科医を含む多職種でJonsenの四分割法を用いたカンファレンスを積極的に行い治療方針決定に役立てている。自験例を交え,当院ICUでの終末期患者に対する透析への取り組みについて紹介する。

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© 2023, 特定非営利活動法人 日本急性血液浄化学会
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