2024 年 15 巻 1 号 p. 23-29
【目的】持続的腎代替療法(continuous renal replacement therapy:CRRT)中の重症患者に対する1.5g/kg/日以上の高たんぱく質投与の効果について,後方視的に検討した。【方法】第7〜10病日までの投与たんぱく質量が1.5g/kg未満のL群:52例と1.5g/kg以上のH群:53例を比較した。【結果】CRRTは48〜72時間の初回設定でH群がL群に比して有意に浄化量が多かった。投与たんぱく質は,第4病日以降でH群が有意に多く,第10病日はH群1.8g/kgとL群が1.1g/kgであった。目標エネルギー量に対する充足率は,第8と第10病日でH群が有意に高率であった。血清アルブミンは第14と第21病日でH群が有意に高値であった(p<0.05)。Functional independence measure(FIM)利得はH群(57.0点)がL群(29.0点)に比して有意に高かった(p<0.01)。【まとめ】1.5g/kg/日以上のたんぱく質投与によるactives of daily living(ADL)の向上が示唆された。