2024 年 15 巻 2 号 p. 105-110
近年,急性腎障害(acute kidney injury:AKI)と腎代替療法(kidney replacement therapy:KRT)に関する研究が目覚ましい進展を遂げているのは言うまでもない。本稿では,日本版敗血症診療ガイドライン(J-SSCG)におけるKRT導入のタイミングについて解説する。とくに,2020年のガイドラインではclinical questionを2分割し,また一部では推奨の提示を避け,Stage 3での早期のKRT導入は推奨しなかった。その背景には,抽出されたランダム化比較試験の患者背景や,実際に行われた研究デザインが要因としてある。今後もJ-SSCGは4年毎に改訂される予定であり,さらなる進化が期待される。