日本急性血液浄化学会雑誌
Online ISSN : 2434-219X
Print ISSN : 2185-1085
原著
In vitro実験モデルを用いたヘモフィルタの血球付着量の評価
ポリスルホン膜とセルローストリアセテート膜の比較
栗原 佳孝関口 雅弥小林 こず恵小久保 謙一久保田 勝
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2024 年 15 巻 2 号 p. 133-137

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抄録

治療中のヘモフィルタの凝固はさまざまな問題を起こすため,血小板などの血球の付着の少ないヘモフィルタを使用することは重要である。今回,材質の異なる2種類のヘモフィルタの基礎性能をin vitro実験にて検討することを目的とした。実験は新鮮ブタ血液を用いて,濾液を循環血液に戻す長時間in vitro実験モデルでヘモフィールSNV(SNV-1.0)とUTフィルター(UT-1100)の比較を行った。血液流量100mL/min,濾液流量10mL/min,実験時間24時間とし,実験中はACTが200〜300秒になるようにヘパリン添加速度を調整した。膜間圧力差は時間経過とともに有意に上昇し,UTがSNVに比べ有意に増加しやすかった。24時間後の膜への赤血球付着量と血球総付着量はSNVに比べUTが有意に高値を示した。これより,SNVはUTに比べ膜に付着した血球成分が少なかった。

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© 2024, 特定非営利活動法人 日本急性血液浄化学会
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