2024 年 15 巻 2 号 p. 128-132
非カフ型カテーテル(non-cuffed hemodialysis catheters:NCC)使用時は,留置後比較的早期から血栓が形成されることが報告されている。血栓による合併症として,脱血不良などのカテーテル機能不全や肺血栓塞栓症,カテーテル関連血流感染の重症化,血管狭窄・閉塞などの発症リスクがある。今回,当センターにおいてNCCを使用して血液浄化療法を導入した症例のうちNCC抜去時に超音波検査を施行した症例を抽出し検討した。観察されたNCC留置血管は右内頸静脈14例,左内頸静脈5例でNCC留置期間は中央値(四分位範囲)で7(6〜11)日であった。19例中17例(89.5%)と高率に血栓形成が認められた。血液浄化療法を必要とする場合に緊急時に使用されることの多いNCCであるが,NCC留置血管には高率に血栓を形成している可能性があり注意が必要である。