2012 年 3 巻 1 号 p. 25-28
テイコプラニンはタンパク結合率が90%であり,濾過・透析ではほとんど除去されないと考えられている。しかし持続的血液浄化法施行中に,テイコプラニンの有効血中濃度を維持できない症例を経験した。濾過・透析以外の排泄経路として膜表面への吸着が考えられるため,ポリメチルメタクリレート膜およびポリスルホン膜の2種類の膜を用いて実験を行った。その結果,ポリメチルメタクリレート膜およびポリスルホン膜に吸着性が認められ,ポリスルホン膜に比べてポリメチルメタクリレート膜では吸着率が高い可能性が示唆された。