血液回路は持続的血液浄化療法(Continuous Blood Purification therapy:CBP)をはじめとする血液浄化療法には欠くことのできないものである。CBPは長時間の体外循環を行うため回路内凝固のリスクが高く,予定より早く回路交換を行う例は少なくない。本論では,回路内凝固を起こしやすい部位に対してその要因の検討を行い,現状の血液回路を用いた凝固対策を行った結果をふまえて,安全性を保ち回路内凝固を防止するという観点からCBP用血液回路の要件について考察した。その結果,抗凝固剤注入ラインの位置は血液ポンプ後から脱血直後への変更が有効であり,チャンバー形状の見直しが必要と考えられた。