急性血液浄化療法において,治療時の安全確保は重要な役割を担っている。当院では維持透析治療に長年従事してきた経験から,持続的血液濾過透析(以下CHDF)施行時の安全性を高めるために点検業務を重要視して行ってきた。その1つに臨床工学技士による「施行前点検」がある。施行前点検とは,プライミングが終了し治療条件や物品がすべて揃った状態での総点検のことを示し,当院では2000年のCHDF用装置導入から欠かさず実施している。その施行前点検および治療中に発見した異常件数を集計したところ,装置異常などのハード面の異常よりもセッティングミスなどによるソフト面の異常件数が多い結果となった。このことから,急性血液浄化療法における安全確保にはソフト面の充実が不可欠であると考える。