日本急性血液浄化学会雑誌
Online ISSN : 2434-219X
Print ISSN : 2185-1085
原著
経皮的心肺補助回路からの血液浄化施行の方法についての検討
正木 涼子林 裕樹後藤 和大中村 智裕長谷川 静香原 季実子
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キーワード: PCPS, 血液浄化, 圧力, 陽圧, 陰圧
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2012 年 3 巻 1 号 p. 57-62

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抄録

PCPS回路下において血液浄化を安全に施行するために,PCPS流量と脱血圧の変化による送脱血回路の側枝および,送脱血回路シャント部に設けた三連三方活栓の各圧力を模擬回路にて測定し検討した。PCPSでは脱血側は常に陰圧であるため,誤った開放操作により大量の空気が流入する危険性がある。脱血回路から遠心ポンプに空気が流入すると,遠心ポンプは遠心力を失い循環が停止してしまう。あるいは,気泡を細かく砕いて送血回路から全身に気泡を送る事故となる。今回,脱血回路の陰圧の増強により,三連三方活栓部が陽圧から陰圧に変化することが確認できた。より安全に血液浄化を施行する上で,ひとつの指標になると思われる。

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© 2012, 特定非営利活動法人 日本急性血液浄化学会
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