2012 年 3 巻 1 号 p. 73-77
治療に難渋した間質性肺炎による急性呼吸不全症例にSustained high-efficacy daily diafiltration using a mediator-adsorbing membrane(SHEDD-fA)とDirect hemoperfusion with polymyxin B-immobilized fiber colum(PMX-DHP)を組み合わせた治療で寛解せしめたので報告する。症例は68歳男性。当院受診1ヵ月前に呼吸困難で発症した。急激に進行し当院紹介入院となった。胸部画像で両肺びまん性スリガラス陰影を認めた。心不全は否定できた。気管支肺胞洗浄液から感染症は否定的であった。画像所見,KL-6の上昇などから間質性肺炎による急性呼吸不全を強く疑い,人工呼吸管理下に好中球エラスターゼ阻害剤,抗凝固療法,メチルプレドニゾロンパルス療法を施行したが反応しなかった。続いてHDFとPMX-DHPの併用で血液浄化療法を2日間施行したところ劇的に酸素化が改善。人工呼吸も離脱し,急性期を離脱することができた。