日本急性血液浄化学会雑誌
Online ISSN : 2434-219X
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症例報告
難治性血栓性血小板減少性紫斑病に対して血漿交換とリツキシマブの併用療法で救命し得た症例
萱島 道徳岩下 裕一小西 康司浅井 英樹西尾 健治奥地 一夫石西 綾美松本 雅則藤村 吉博
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2012 年 3 巻 1 号 p. 78-81

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抄録

血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)は致死的な疾患であるが,血漿交換(PE)によって寛解が得られることが多い。今回,PE不応例に対して早期にリツキシマブ(R)を併用し著効した症例を経験した。症例は47歳女性。倦怠感,呂律困難にて当院へ紹介入院となった。入院時に意識障害はなく,体温37.2℃,Hb 7.0 g/dL,血小板0.7万/μL, LDH 1,555 IU/μL,Creatinine 0.78 mg/dL,ADAMTS13活性<0.5%,同インヒビター(INH)4.8 BU/mLであった。入院後,血漿交換とステロイドパルス療法により血小板数,ADAMTS13活性は一旦上昇したが,再度低下しINHも上昇したため,day 7よりリツキシマブの投与を3回行い寛解となった。PE抵抗例に対してADAMTS13活性とINHを頻回に測定することで,リツキシマブを早期に投与することによりPEの回数を減らし救命し得た。

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© 2012, 特定非営利活動法人 日本急性血液浄化学会
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