2012 年 3 巻 2 号 p. 117-122
小児中核病院として機器を導入した平成19年12月から平成23年9月までの3年10ヵ月間に35名の患児に対して急性血液浄化療法を施行し,施行方法に関して標準化を進めてきた。カテーテルは,全身麻酔下にて,新生児には6Fr,乳児以降には7Frを右内頸静脈より挿入している。体重10kg未満の患児ではアルブミン(新生児は10%,乳児以降は5%アルブミン)で回路を充填し,回路循環後,新生児に対しては除水を併用し急速輸血を行っている。血液流量は新生児で25mL/min,乳児以降で50mL/minとしている。持続透析の透析液流量は,急性腎不全で500mL/hr,急性肝不全・代謝疾患でQd/Qb=1.0で開始している。血漿交換の場合,5%アルブミンまたは新鮮凍結血漿を置換液とし,置換量は80mL/kgとしている。標準化・簡素化することで迅速に導入することが可能となっており,今後救命率の向上が期待できる。