日本急性血液浄化学会雑誌
Online ISSN : 2434-219X
Print ISSN : 2185-1085
原著
持続的血液濾過透析(CHDF)施行患者におけるメロペネム(MEPM)の薬物動態
持田 泰寛安 武夫松元 加奈森田 邦彦岩上 将夫古谷 玲堤 大夢石岡 邦啓真栄里 恭子岡 真知子守矢 英和日高 寿美大竹 剛靖小林 修三
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2012 年 3 巻 2 号 p. 123-128

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抄録

持続的血液濾過透析(CHDF)施行下のメロペネム(MEPM)の薬物動態の検討は,本邦では十分とはいいがたい。そこで,わが国で一般的に行われているCHDF施行下のMEPMの薬物動態と至適投与量を検討した。対象は敗血症と診断され無尿ないし無尿に近く,CHDFを要した患者8名で,MEPMは0.5gを1日2回12時間毎に点滴静注した。8名中4名はPS膜,4名はPMMA膜を使用し,血中濃度推移とtime above MIC(%T>MIC)を検討した。MEPMの%T>MICが40~50%以上を有効と定義すると,今回の検討では,MEPMに対するMIC が4μg/mL以下の細菌が対象の場合には,MEPM 0.5g 1日2回投与で十分治療しうる%T>MICに到達することが確認された。血中濃度の膜による差は認めなかった。重症感染症を有する患者ではcriticalとなるため,CHDF下での適切な投与量設定が重要である。

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© 2012, 特定非営利活動法人 日本急性血液浄化学会
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